近視について

近視とは~目のつくり~

人間の五感の中で、もっとも重要な「視覚」を司る臓器、「眼球」。その大きさは10円玉よりわずかに大きい約24mm。たったそれだけの大きさの器官ですが、約100万色もの色を識別し、外界の障害物や距離を捉え測定するといった、重要な機能を持っています。人間は外界の情報の約80%を、その小さな眼球(視覚)から得ていると言われており、現代人は日常生活の大部分をこの小さな臓器に頼って生活しているといっても、過言ではありません。

 

黒目部分を覆っている厚さ約0.5ミリメートル
の5層構造の透明な膜です。目の中に光が
入るときは最初にここから入ってきます。

 

近くのものを見るときには厚く、遠くのものを
見るときには薄くなり、焦点(ピント)の合う
位置を調整します。カメラでいうところの
レンズの役割を担っています。

 

明るさによって瞳の大きさを調節し、目の中に
入る光の量をコントロールします。カメラで
いえば、絞りの働きをします。

 

目の一番内側にある、厚さ約0.2ミリメートルの
薄い膜です。光を感じ取り、映像に変えます。
カメラでいうとフィルムの働きをします。

 

眼球の奥行き(角膜から網膜までの長さ)のこと
です。日本人の平均値は約24ミリメートルです。

 

近視とは~ものが見えるしくみ~

人間の目はカメラとよく似た構造になっています。カメラのレンズにあたるところは、私達の目の前方にある角膜・水晶体で、フィルムにあたるところは目の奥にある網膜です。わたしたちがものを見るときには、ものの色や形が光として目の中に入ってきて、角膜・水晶体(カメラのレンズ)のところで屈折し、網膜上(カメラのフィルム)に光が集まる(=焦点が合う)ことで、網膜上にはっきりと画像が写し出されます。その映し出された画像情報が脳に伝達されることで、私たちははっきり見えていると感じるのです。

カメラの場合

カメラの場合

目の場合

目の場合

網膜上に光が集まる(=焦点が合う)ようにするには、カメラの場合はレンズが前後に動いて焦点(ピント)を調節しますが、目の中では水晶体がその役割を担っています。水晶体についている小さな筋肉によって、水晶体の厚みを変えることで焦点(ピント)調節を行います。この焦点調節がうまくいくと網膜上にきちんと光が集まり、画像がはっきりと映し出されるので、私たちはものがはっきり見えていると感じます。一方で焦点調節がうまくいかず、網膜の手前や後ろの位置で焦点が合うと、カメラでいうところのピンボケ状態となり、網膜上で画像がぼやけて映し出されるので、私たちはものをはっきりと見ることができません。次の章で詳しく説明しますが、焦点調節をしなくても網膜上で焦点(ピント)が合う状態を「正視」、網膜上よりも手前で焦点が合ってしまう状態を「近視」、後ろで合ってしまう状態を「遠視」、光が入ってくる方向によって焦点が合う位置がまちまちになってしまう状態を「乱視」といいます。

 

近視とは~正視・近視・遠視・乱視の違い~

近視、遠視、乱視と、様々な視力障害の症状が知られていますが、正しくその仕組みを理解している人は意外と少ないのではないでしょうか?ものを見る際に、焦点調節をしなくても網膜上できちんと焦点(ピント)が合い、遠方から近方まで、はっきりと見える状態のことを「正視」といいます。一方で、屈折異常により目の網膜上よりも手前の位置で焦点(ピント)が合ってしまい、遠くのものがぼやけて見える状態のことを「近視」といいます。近視の場合、近くのものは問題なくはっきりと見ることができます。逆に、網膜の後ろで焦点(ピント)が合い、焦点調節をしないと近くも遠くも厳密にははっきりと見えない状態が「遠視」です。常に焦点調節をする必要があり目を酷使するため、眼精疲労をともなうケースが多いです。「乱視」は、主に角膜や水晶体の歪みが原因で、目に光が入ってくる方向によって、焦点(ピント)が合う位置がまちまちになり、ものが部分的にぼやけたりぶれて見える状態のことです。近視や遠視の目にも乱視は合併しているケースが多く、近視性乱視・遠視性乱視と呼ばれます。「近視」・「遠視」・「乱視」すべて、目に入ってきた光が正しい位置(網膜上)でピントが合うように光の曲がり方(屈折)を変えることで、視力を矯正します。その代表的な視力矯正方法としてよく知られているのが、コンタクトレンズや眼鏡、レーシック手術です。オルソケラトロジー治療は、なかでも近視・近視性乱視の方を対象とした視力矯正治療法です。

 

近視の種類~軸性近視と屈折性近視~

近視には大きく分けて「軸性近視」と「屈折性近視」の2タイプあります。屈折異常が生じる原因によってどちらかに分類されます。「軸性近視」は、角膜から網膜までの距離(眼軸長)が正常より長いために、屈折異常が起きてしまうタイプです。眼軸長が長すぎると、遠くを見る際に、水晶体の厚みを十分に薄くしても網膜上でピントが合わず、網膜の手前にピントが合ってしまいます。実は目は、眼軸長が0.5ミリ伸びただけでも、ピンボケを起こすといわれています。この状態になると一般的にはトレーニングや目薬では回復しないといわれています。また、眼軸長は成長に伴い長くなるため、成人するまで近視が進行する場合があり、最近では成人以降も進行し続けるケースも増えてきているため注意が必要です。もう一方の「屈折性近視」は、角膜・水晶体の屈折力が強すぎて屈折異常となるタイプです。受験勉強やパソコン作業などで長時間近くを見る生活を続けていて、水晶体の厚みを調整する機能が正しく働かなくなることで起こります。人が近くを見るときは水晶体が大きく膨らむことで近くにピントが合います。しかし、長時間近くを見続けると、水晶体の厚さを調節する筋肉が緊張を起こし、水晶体が膨らんだままになり遠くのものが見えにくくなってしまうのです。屈折性近視は、目のトレーニングをしたり目薬を使用するなどして、目の筋肉の緊張をやわらげると改善します。しかしながら、こちらのタイプの近視は少なく、ほとんどの方は軸性近視です。

 

眼軸長(眼の奥行)が適正な場合

眼軸長(眼の奥行)が適正な場合

「正視」とは、外から目に入ってきた光が、目の中の網膜上できちんと焦点(ピント)が合っている状態のことをいいます。眼軸長が適正な場合、遠くを見た時に水晶体がふくらむと、網膜上にピントが合います。この状態を”正視(せいし)”といいます。

眼軸長が長すぎる場合

眼軸長が長すぎる場合

「近視」とは、目の網膜より手前で焦点(ピント)が合ってしまい、遠くのものがぼやけて見える状態のことです。
近視は、屈折異常の一種で、角膜から網膜までの距離(眼軸長)が長すぎる場合や、角膜・水晶体の屈折力が強すぎる場合に起こります。

 

世界的な近視人口の急激な増加

オーストラリアのBrien Holden Vision InstituteおよびUniversity of New South Walesでの研究の調査結果によると、近視人口は世界的に増加しています。2000年における世界の近視人口は14億600万人、強度近視人口は1億6,300万人ですが、研究の結果、2050年までに近視人口は47億5,800万人、強度近視人口は9億3,800万人にまで増加すると予測され、10人に1人が失明のリスクを抱えるというデータが発表されています。なかでも日本を含むアジア太平洋地域における高所得国の近視有病率が46.1%にまで達し、2000年時点で最も高い結果となっています。Holden氏ら研究員は、近視人口が世界的に急増した背景に子供の発育環境の変化があると指摘しています。特にスマートフォンの多用など、近距離を見つめる作業の増加といったライフスタイルの変化は大きく、近視予防用に設計されたメガネやコンタクトについても、更なる研究が必要だとしています。

世界の近視人口の推移と近視研究に見る傾向

日本の近視人口

現在、日本国内の人口1億2,575万人(※平成25年総務省統計局人口推計)のうち、約1/3の約4,000万人が近視と推定されています。外国の方が持つ日本人像と言えば、眼鏡にカメラを持っているといったイメージが多いですが、 実際にアジア人、とりわけ日本人は、欧米諸国を始めとする他のエリアに比べて圧倒的に近視が多い傾向にあります。日本人を含めるアジア人は、遺伝や生活習慣により眼球が長く焦点が合わなくなる「軸性近視」が多いことが原因だと言われています。さらに、近年はスマホやゲーム機の普及・長時間の使用など、生活環境の変化により、若年層における視力の低下が顕著になってきています。日本人の抱える近視とそれに伴う視力低下の問題は年々悪化していると言えるでしょう。

近視の若年化が深刻に

近視人口は毎年増加傾向にあり、特に子供の近視が深刻化しています。文部科学省が高校生以下を対象に毎年行っている学校保健統計調査によると、高校生以下の子供たちの裸眼視力が年々低下していることがわかります。平成29年度の調査では、視力1.0未満の小学生の数は32.46%であり、調査以来過去最悪の結果となりました。また、中高生は半数を超えています。1.0未満の小学生の割合は、調査を始めた1979年度は17.9%でしたが、その後は増え続け、平成19年度からは毎年30%を上回っています。幼稚園児も1979年度の16.4%から平成19年度は26.2%に達しており、ピークの平成8年度(28.9%)は下回りましたが、依然として高水準です。これらのことから、日本の子供たちの裸眼視力は年々低下傾向にあることがわかります。ス マートフォンや携帯ゲーム機などの長時間利用が視力の低下の一因として考えられますが、 子供の生活環境が変わってきた中で視力の低下に歯止めをかける有効な手立てが見つかっていないのが現状です。

「裸眼視力1.0未満の者の割合」の推移 出展:文部科学省 平成29年度学校保険統計(確定値)

「裸眼視力1.0未満の者の割合」の推移 出展:文部科学省 平成29年度学校保険統計(確定値)

子供の近視・近視進行のリスク

近視は、発症年齢が低いほど進行しやすいと言われています。近視が進行し強度近視になると、網膜剥離や緑内障といった疾患にかかりやすくなり、失明・視力障害に陥るリスクが高まります。近年、オルソケラトロジーは子供の近視進行を防ぐ有効な治療法として、各国の大学、研究機関等で積極的に研究・報告が行われ、様々な文献において50%前後の近視抑制効果が報告されております。特に、角膜のやわらかい子供の時期の方が効果が出やすく、早く始めるほど近視進行を抑制できるという学会発表が続いております。子供の近視矯正や近視進行の抑制については、なるべく早い段階から対策を行うことが重要です。近視のお子様をお持ちの親御様は、お早めにお近くの眼科にご相談下さい。

オルソケラトロジーがお子様にも処方可能に

 

近視が進むとどうなるの?

近視が進むと、視野異常や網膜剥離、失明にまで至ることがあります。
近視の若年化が進む現代、適切な矯正や近視の予防が必要です。年に一度は眼科専門医の検診を受けましょう。

近視が進んだ場合に考えられる症状の例

視野異常

視野の異常には、視野がかける「視野欠損」や視野が狭くなる「視野狭窄」等があります。
また、視野の中心部が見えなくなる「中心暗点」もおこることがあります。これらの症状がおこった場合は、薬での治療が必要になることもあります。

網膜剥離

眼球の中は硝子体(しょうしたい)というゼリー状の物質で満たされていますが、何かのきっかけで硝子体に網膜の一部が引きずられ、網膜に小さな裂け目ができてしまうことがあります。
この裂け目から網膜とその下の層との間に水分が入り、網膜が剥がれてしまった状態を、網膜剥離といいます。

網膜剥離

網膜剥離は放置すると失明(それまで視力があった人、見えていた人が視力を失うこと、見えなくなること)する場合があるため、手術による治療が必要です。

最近では、網膜剥離を起こす前段階である網膜分離症が、特殊な検査機器を用いると見つかることもあります。詳しくは眼科専門医にお尋ねください。

近視のための様々な視力矯正方法

インターネットの発達やスマートフォンの普及により、デジタルな情報が溢れかえる社会のなかで、生活者は日々何かしらの情報デバイスに触れているといっても過言ではありません。 それに伴う過度な「目」への負担が、視力の低下に繋がっています。一方で、視力を矯正する方法も選択できるようになり、「眼鏡」や「コンタクトレンズ」以外にも、手術により視力を回復する「レーシック」や、夜寝ている間に装用することで日中裸眼で過ごすことができる視力矯正治療「オルソケラトロジーレンズ」など、新しい視力矯正方法に注目が集まっています。どの治療法がご自身の目の状態や生活習慣にあっているのか考えたうえで、ますはお近くの眼科・クリニックでご相談することをおすすめします。

 

近視矯正治療法の特徴~メリット・デメリット~

メガネの特徴

メリット デメリット
・基本的にケアが簡単
・装用時間に制限がない
・感染症や角膜にキズがつくリスクが少ない   
・かけ外しが簡単である
・目薬を使用することができる
・ファッションアイテム的な役割
・強度近視の矯正には向かない
・激しい運動には不向きで壊れやすい
・度数によっては物の大きさや距離が実物と異なる
・左右の度数差が大きいと不向き
・見た目が変わる
・温度差でくもる

 

コンタクトレンズの特徴

メリット デメリット
・強度近視・強度乱視の矯正が可能
・左右の度数差があっても使える
・外見が変わらない
・視野が広い
・強い度数のレンズを使用してもゆがみが少ない
・長時間の装用には不向き
・使用法によっては目をいためることがある
・ケアに手間がかかる
・治療用の目薬が使用できないことがある
・重度のドライアイ・花粉症の人には不向き
・角膜内皮に対して悪影響がある

 

レーシックの特徴

メリット デメリット
・即効性が期待できる
・裸眼で生活できるようになる
・ケア用品の購入などのランニングコストがかからない
・手術後の長期予後はまだまだ不明な点が多い
・手術後は角膜をもとの状態に戻すことができない
・ドライアイになることがある
・保険適用外のため費用は一時的にかかる

 

オルソケラトロジーの特徴

メリット デメリット
・日中裸眼で生活することができる
・手術をする必要がない
・近視進行の抑制効果があるといわれている
・角膜の柔らかい子供にはより効果が期待できる
・レンズの装用をやめると角膜の形状はもとに戻る
・心理的負担が少なく始められる
・近視だけでなく乱視も矯正可能
・裸眼でスポーツができる
・メガネ・コンタクトのようにレンズの破損やズレの心配・リスクがない
・強度の近視・乱視には不向き
・遠視の矯正はできない
・レンズの適切なケアと使用方法を守る必要がある
・安定した視力が得られるまでに時間がかかる
・夜など暗い場所で光がにじんで見えることがある
・眼疾患のある人には不適応なことがある
※強度のドライアイ、アレルギー、円錐角膜、眼底疾患など
・保険適用外のためある程度の費用がかかる

 

 
 

近視を矯正する原理

~光の曲がり方を変える~

近視の矯正には、目に入ってきた光が網膜上で焦点を結ぶ(=ピントが合う)ように、光の曲がり方(屈折)を変える必要があります。

メガネ・コンタクトレンズとオルソケラトロジー・レーシックでは、光の曲がり方を変える方法が異なります。

近視と矯正視力

光の曲がり方(屈折)を変えるには・・・①

光が網膜に到達する前に光の屈折を変える

メガネやコンタクトレンズなどの凹レンズ(近視用レンズ)を角膜より前面に配置することで、ピントを合わせます。

メガネ

メガネ

コンタクトレンズ

コンタクトレンズ

光の曲がり方(屈折)を変えるには・・・②

角膜を変形させることによって、光が角膜を通る際に光の屈折率を変える

オルソケラトロジーレンズやレーシック手術によって角膜を平らにすることで光の屈折率を変化させ、ピントを合わせます。

オルソケラトロジー

オルソケラトロジー

レーシック

レーシック

 

オルソケラトロジー治療ができる眼科・クリニック

オルソケラトロジー治療については、お近くの眼科専門医にご相談ください。

 

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